強烈な旦那様♡おバカなカメ
純香の四十九日の後、純香の母親から渡された一通の手紙。


【李範へ
これを李範が読む頃、私はいないと思う。
お母さんには、私が李範の前からいなくなるようなことになったら、渡してほしいと伝えたから。
李範。
私がいなくなっても、幸せに暮らしてほしい。
李範に、涙は似合わない。
クールで無愛想で、あんま笑わない。
目立つところにタトゥーをいれるバカ!
(そんなことしたら、余計に怖いじゃん!
ただでさえ、雰囲気怖くて恐れられてんのに!)
でも、誰よりも優しくて仲間想いの李範。
私はそんな李範が、大好き!!
だから、幸せになってほしいの!
私のことは、過去のこととしてちゃんと受け止めて、人のせいにせず、幸せに生きる努力をして!
前を見て、李範。
この先、私以上に守りたいと思える人に出逢えるよ、きっと……!
大丈夫。
李範なら、できる!!
純香より】

“過去のこととしてちゃんと受け止めて、人のせいにせず、幸せに生きる努力をする”
夏菜を立ち直らせた言葉は、元々は純香の言葉だ。


━━━━━━━━
━━━━━━━━
━━━━……………

「━━━━━━純香、お前のおかげで出逢えた。
お前以上に、守りたいと思える女に。
フフ…お前とは違って、トロくておバカな天然娘だがな(笑)
…………でも…どこかお前に似ててさ。
誰よりも素直で真っ直ぐで、心身ともに綺麗で強くて可愛い女だ。
俺は、カメの為なら何でもできる。
純香。
見守っててくれ。
俺がカメと、幸せに生きているところを………」


もうすぐ、純香が亡くなって10年が経つ。

実は夏菜には、純香のことや当時の仲間達のことを一切話してない李範。
10年を期に、話そうと思っていた。




「━━━━━カメ、会わせたい奴等がいる」

李範は高校の時の仲間達に声をかけ、10年振りに集まったのだ。
(純香が亡くなってから、仲間達とも連絡を絶っていた)


「李範?」
待ち合わせ場所の駅に着くと、ほぼ全員が待っていた。

「李範!!」
「やべー、李範だ!!」
「李範さん!」
「久しぶり!!李範くん!」

仲間達が駆けてくる。

「あぁ、久しぶりだな。
悪かったな。全く連絡しねぇで…」

「ほんとだよ!」
「元気にしてるみたいだな!」

「あぁ!」
夏菜は、微笑ましく李範や仲間達を見ていた。

「…………ところで、李範。
この子は?彼女?」

「いや。
俺の嫁さん」
「こんにちは!夏菜です!」


「「「嫁!!?」」」

仲間達は、心底驚愕していた。
< 10 / 45 >

この作品をシェア

pagetop