強烈な旦那様♡おバカなカメ
━━━━━━自宅に帰った李範と夏菜。

ギシッとベッドが軋む。

李範のキスや舌が、夏菜の身体に落ちる。

夏菜がシーツを握りしめ皺が寄って、夏菜の甘い声が響く。
李範が、夏菜の小さな手を指を絡めて握る。

「夏菜…俺を見て?」
「ん…りーく…好きぃ…」

李範は、抱き合ってる時だけ夏菜のことを“カメ”ではなく“夏菜”と呼ぶ。

それは夏菜にとって特別で、李範に対して愛しさが増すのだ。

二人が繋がって、更に夏菜の甘い声が寝室に響いた━━━━━━


李範の腕枕で、髪の毛をすくように頭を撫でられている夏菜。
「━━━━━カメ」
「ん?」

「………ごめんな」
「え?なんで、謝るの?」

「まさか俺、純香の名前を呟いてたなんて知らなかった」

「フフ…
謝らないで?
本当に、怒ってるとかじゃないよ」

「嫌だろ?
俺だったら………カメの口から俺以外の男の名前なんて聞いたら、嫉妬で狂う」

「うーん…
確かに、嬉しいとかはないよ。
でも、りーくん悲しそうなんだもん!
私の名前呼ぶ時みたいに、笑ってたら嫌だけど……
それに、罪悪感をずっと背負ってたんでしょ?」

「まぁな。
純香は、俺が殺したようなもんだ」
「うーん…
純香さんは、りーくんを守りたい一心だったんだと思う。
それしか方法がなかったんだよ、きっと!
誰のせいでもないよ?
“過去のこととしてちゃんと受け止めて、人のせいにせず、幸せに生きる努力をしろ!”でしょ?」

「━━━━!!?
あー、そうだな(笑)」

「純香さんは、りーくんの幸せを願って亡くなった。
幸せになんなきゃ!」

「あぁ、そうだな!」
そう言って、李範が夏菜を組み敷いた。

「りーくん?」
「夏菜、もう一回しよ?」

「え?もう一回?
でも、もう…眠い……」

「俺は、幸せにならねぇとダメなんだろ?」
「え?うん…」

「夏菜、俺のこと幸せにしてくれるんだろ?」
「うん…」

「だから抱かせろよ、夏菜」

李範は、夏菜の口唇を塞いだ。


━━━━━ぐったりして眠っている夏菜の頭を撫でながら、夏菜を微笑み見つめる李範。

その表情は、とても穏やかで優しい。

“ねぇ……李範。笑って?”
よく、純香に言われていた。

しかし、李範は笑い方がわからなかった。

“大丈夫。みんなでいれば、笑えるよ………!”

純香の言う通り、純香や仲間達と過ごしていく内に笑えるようになった。
そして夏菜に出逢い、更に自然に笑えるようになったのだ。

「………ありがとな、純香。
カメ、これからもよろしくな!」


夏菜と純香が、重なる。

二人が笑いながら、大きく頷いているような気がした━━━━━━
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