強烈な旦那様♡おバカなカメ
夏菜「え?は、離してください」

「ほら、席向こうだから行こ?」
グッと、そのまま引っ張られる。

夏菜「嫌!離して!」
必死に抵抗し手を離して、李範のいる席に駆けていった。

バン!と個室の扉を開けた。

李範「あ、カメ!遅か━━━━━」
李範に抱きつく、夏菜。

和貞「え?夏菜ちゃん?」
風春「どうした?」
朝臣「大丈夫?」

李範「カメ?どうした?」

抱きついたまま、首を横に振る。

「もしかして、体調悪いとか?」

李範「カメ、帰るか?」
首を横に振る。

李範「酔って気持ち悪いとかか?」
横に振る。

和貞「大丈夫かよ?」

李範「あ、ほっといていい。
…………カメ、プリン食べるか?」

ゆっくり顔を上げ、李範を見上げ「いる…」と呟いた。

風春「フフ…じゃあ、頼むね!」


そして、お開きになり━━━━━

和貞がまとめて会計しているので、李範達は外に出て待っていた。
李範や風春達は、外の灰皿の前で煙草を吸っている。
そこに、客が出てきた。

夏菜「あ……」
(さっきの、男の人…)

夏菜は、李範の背中にしがみついた。
李範「ん?どうした?」

「あれ~?さっきの可愛い子だぁー」

朝臣「は?なんだ、こいつ…」
李範「朝臣、やめとけ。
……………俺の嫁さんに何の用?」

「え……あ…いや…」
李範の雰囲気に、一瞬で固まり後ずさる。

「こ、こえぇ…」
「まさか、ヤク……」
「ばっ…やめとけ……!!」

「い、行くぞ…あんまここいたら、殺される…!」

男達が、そそくさと去ろうとする。

和貞「お待たせ~!
えーっと、一人五千………」

「━━━━━━やめてください!!」

和貞が会計を済ませ出てきたのと同時に、夏菜の通る声が響いた。

李範「カメ?」
和貞「え…夏菜、ちゃん…?」

「は?」
男達が振り返り、その中の一人が夏菜を見る。

「りーくん達を“見た目で”判断しないでください」

「え?」


「りーくんは、立派なデザイナーさんです。
和貞さん達も、みんな立派な社会人です。
確かに見た目は怖いけど、みんなあなた方と同じ“普通の”男の人です。
ヤクザとか、殺されるとか……そんな酷いこと言わないで!!」

夏菜は目に涙を溜め、男達を見据えていた。

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