強烈な旦那様♡おバカなカメ
「いや、別にそんなつもりで……」

夏菜「謝ってください」

「え?」

夏菜「りーくん達に、謝ってください!!」

「あ、わ、悪かった…」
夏菜の真っ直ぐな視線と勢いに、男は謝罪しそそくさと去っていく。

李範や和貞達は、その夏菜の姿に“純香を”重ねていた。



純香『謝りなさいよ!』

『はぁ?』

純香『私の友達を傷つけた。
だから、謝って!』

李範達仲間の中で紅一点だった、純香。

そんな純香。
最初は李範達に、全く受け入れてもらえていなかった。

李範はもちろん。
和貞達も、それなりのイケメン。

学校で、李範達は大人気だった。
だからミーハー心で、近づく女がたくさんいた。

そんな女達にうんざりしていた、李範達。

純香もそんな女達と同じと思っていた。


そんな時。
純香の友達が、李範達のことを“ヤクザと関わっている”だの“人を殺したことがあるらしい”だの、勝手な噂を流していた。

それに怒った純香が、言い放った言葉だ。



━━━━━まさに、その時の純香そっくりなのだ。

フゥーと息を吐いた夏菜。
李範に向き直る。

夏菜「りーくん」
李範「んぁ?」

夏菜「お金!和貞さんに渡さないと」

李範「あ、あぁ。
━━━━━和貞、いくら?」

和貞「え?あ、えーと…五千円でいいよ!」
李範「は?カメの分も!」

和貞「いいって!
夏菜ちゃんには、なんか…敵わないっつうか……」

李範「は?意味がわかんねぇ!」
夏菜「ダメですよ!ちゃんと━━━━━」

和貞「夏菜ちゃん」
夏菜「え?あ、はい」

和貞「━━━━━━なんで李範が、夏菜ちゃんに惚れたかわかったよ」

夏菜「へ?」

風春「俺も!」
和貞の言葉に、風春達も微笑む。

朝臣「李範の言う通り、夏菜ちゃんは真っ直ぐで素直で、綺麗だね!」

夏菜「え?え?」


和貞「李範」

李範「ん?」

和貞「改めて、言う。
━━━━━いい嫁さん見つけたなっ!」

李範「フッ…まぁな!」
和貞の言わんとしていることがわかり、李範が嬉そうに微笑んだ。

風春「さすが、李範だ!」
朝臣「夏菜ちゃん、李範のことよろしくね!」

和貞達も、嬉しそうに笑っていた。


夏菜「え?え?意味がわかんないよぉ~!!」
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