強烈な旦那様♡おバカなカメ
それから李範、夏菜、和貞は、ソファに座り話した。

李範から、生見から言われた事とそれによって動揺し、夏菜を避けるようになったことを聞いた夏菜。

目をパチパチして、李範を見ていた。

「━━━━━ごめんな、カメ」

「そんなこと、わかってるよ」

「「は?」」
李範と和貞が、驚いたように夏菜を見る。

当の夏菜は“今更、何言ってんの?”と言いたげな表情だ。

「りーくんが、私の事を大好きでいてくれてるってこと、ちゃんとわかってるよ!
純香さんと重なるのは、私が似てるからでしょ?
でも前にも言ったけど、りーくんは純香さんのことまだ好きだけど、罪悪感の方が多くてずっと心の傷を抱えてるんだよ。
だから、純香さんのお話する時や寝言で呼ぶ時は悲しそうなんだよ、きっと。
りーくんが、純香さんのこと忘れられないってことも、ちゃんと受けとめるよ!
私は“純香さんを想う気持ちごと”りーくんのこと大好きなんだよ!」


「━━━━━━━━フッ…ハハハーーーッ!!!」
夏菜の言葉に、和貞が噴き出して爆笑しだした。


「え?え?和貞さん?」

「李範。夏菜ちゃんの方が、一枚も二枚も上手だな(笑)
やっぱ、敵わねぇわ!!(笑)」
目の端の涙を拭いながら、腹を抱える和貞。

「フッ…そうだな(笑)
なんか、ウジウジ悩んでた自分が情けねぇ(笑)
バカみたいだ(笑)」
「だな(笑)」

「え?え?りーくんまで、何?」

「カメは、いい女っつうこと!」
「そうそう!夏菜ちゃん、いい女!」

「………よくわからない…」
クスクス笑う李範と和貞に、夏菜は最後までわからないまま首をかしげるのだった。


それから和貞に礼を言い、家路につく李範と夏菜。
「りーくん、ホテルに帰らないと」
「ん?
やんなきゃいけないことあるから、一旦帰ろ?」
微笑む李範に、またもや首をかしげる夏菜。

マンションに着き玄関の鍵を閉めた李範は、すぐに夏菜の口を塞ぐように奪った。
「んんっ…!!!?」

しばらく貪られて、蕩けたような表情(かお)になる夏菜。
「夏菜、可愛いな…」
李範は、夏菜を抱き上げた。

寝室に移動して、ベッドに下ろし組み敷く。
「りーくん…」
「やんなきゃいけないこと、させろよ」

「え……でも、お仕事…」
「今は、何よりも夏菜と愛し合うことが大事だ」


そう言ってまた、李範は夏菜の口を塞いだのだった。
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