強烈な旦那様♡おバカなカメ
「弁当?
カメ、弁当って何だ?」

「え?あ━━━━━」
簡単に話す、夏菜。

すると、李範の機嫌があっという間に悪くなった。


普段から、強面で雰囲気も恐ろしい李範。
その李範が、更に機嫌が悪くなったため恐ろしさに拍車がかかる。

買い物客が距離を持つ程に、李範の雰囲気は黒く染まっていた。


弁当の話を聞いてから、黙り込んでしまった李範。
機嫌も悪いため、夏菜は不安にかられる。

「りーくん」
「………」

「りーくん!」
「………」

何度声をかけても、李範は黙り無視していた。

自宅マンションの地下駐車場に着き降りる。
後部座席の荷物を持った李範が、片方の手で夏菜の手を掴んだ。

「りーくん?」

無言で手を引き、マンション内に入る。
エレベーターに乗り、自宅の階で止まる。

その間も、ずっと無言の李範。
しかし、握りしめた手は固く繋がれていた。

自宅に着き、荷物をテーブルに置いた李範。
そのまま寝室に夏菜を引っ張ってく。

そして、ベッドに少し乱暴に寝かせた。
組み敷き、夏菜の頬をなぞる。

「………夏菜」
そこで漸く、口を開いた。

「りーく…」

頬に触れていた手が、そのまま首へ滑る。
「夏菜にも、刻みつけようか?」

「え?」

「キスマーク」

「り、りーくん?」

「夏菜は、俺のもんだって印をさ。
この色白で細い首に、真っ赤な印。
誰も、俺の夏菜に近づけないように……!」

「え?」

「あ、真っ赤っつうか…赤黒くなるかも?
………でも、いいよな?
俺達は、お互いにイカれるくらいに愛し合ってんだから!
多少痛くても、夏菜は我慢できるよな?」

「りーくん…こ、怖いよ……」

李範が、妖しく笑う。
夏菜は恐ろしくて、身体を震わせていた。

「……………嫉妬って、こえーなぁー」

「え?」

「この世の全部……ぶっ壊したいくらいに、イライラするんだ。
本当に夏菜以外、どうでもいいってな具合に」

「………お願…りーくん…ほんと、に…怖い……」

「………わかった」
と言った、李範。

夏菜の首に吸い付いた。
「んんっ…!!」
鈍い痛みに、夏菜がシーツを握りしめる。

「………ついた」
夏菜の首に、はっきりとしたキスマークがついた。


「これ、消えたらまたつけるからな」

李範が言って、夏菜は解放されたのだ。
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