強烈な旦那様♡おバカなカメ
本当に、嫉妬は恐ろしい━━━━━━

次の日鏡で首を見ると、赤黒い内出血になっていた。
「………怖かっ…た…」

あの後…………
もう二度と弁当なんか食べさせるなと約束させられ、仕事以外で男と喋るなと釘を刺された。

更に“俺のこの胸くそ悪い機嫌を、責任をもって直せ”と言われ、狂おしく抱かれた。

『夏菜、いいか?
約束、破ったら、強制的にバイト辞めさせるからな』

夏菜は昨日のことを思い出して、身震いした。



「━━━━━痛そう…」
バイト先で、朝礼をしている夏菜。
隣にいた、峰芝が首のキスマークを見て呟いた。

「あ…/////」
「………」
意味深に、夏菜を見る峰芝。

「な、何ですか?」
「フフ…別にぃー」

そう言って峰芝は、持場に移動しながら誰にも聞こえないようにポツリと呟いた。

「フッ…わっかりやすい、宣戦布告だな……(笑)」


まだ知り合って二日目なのに峰芝は、急に夏菜に馴れ馴れしくなった。

「━━━━━夏菜」
「へ?」

「今日バイト終わったら、お茶でもどう?」

「あ…ごめんなさい。
終わったら、すぐお家に帰らないと」

「うーん、じゃあさ……仕事の相談があるんだ」
「え?」
「それだったら、付き合ってくれる?」

「仕事…」
「うん。仕事。お願い!」

「お仕事なら……わかりました」

「フフ…ありがと!」
(ほんっと、純粋なんだなぁー夏菜って。
扱いやすっ!)



「━━━━━お疲れ様でしたー」
バイトが終わった夏菜と峰芝は、モール内にあるカフェ店にいた。

「夏菜、何がいい?
奢るから」
「え?いや、いいですよ!
自分の分は、自分で…」

「いいから!ほら、付き合ってくれてんだしさ!」

メニューを見るが、なかなか決まらない。
「夏菜?どれ?」
「ちょ、ちょっと待ってください!」

こんな時、李範なら…………
『カメ、今日はこっちにしろ!
この前、こっちにしたら“甘過ぎ”っつってたろ?
このくらいのヤツが、お前には合ってる』

こんな具合に、李範が決めてくれるのだ。

「━━━━夏菜、ブラック飲める?」
「え?いや、ブラックは……」

「じゃあ…これは?
これ、甘くて旨いよ?」
「え?」
「ね?これにしな?」
「あ、はい」

微笑み言った峰芝に、夏菜は見入っていた。
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