強烈な旦那様♡おバカなカメ

｢え……咲那…ちゃん？｣

｢あ…夏菜…｣

｢は？カメの知り合い？｣
｢うん。さっきも同窓会に来てたよ！
咲那ちゃん、どうしたの？｣

｢夏菜、ごめん！
急いでて、先に会計いい？｣
｢うん、それは構わないけど……
頬、どうしたの？
赤くなって━━━━━━｣

｢大丈夫！！｣
咲那の頬が真っ赤で、少し腫れていた。
触れようとする夏菜に、咲那が言い放つ。

｢でも…｣
｢大丈夫だから！
ありがとう、夏菜｣

｢………｣
｢カメ｣
｢りーくん…｣

｢関わらない方がいい｣

｢え……どうして！？｣
｢………｣
李範は、ただ首を横に振る。

｢お前、早く行かねぇと待ってんだろ？｣
意味深に咲那を見る、李範。

｢あ、は、はい！｣
李範に怯えながらも、一礼して会計を終わらせ咲那は去っていった。

｢━━━━どうして、あんなこと言ったの！？｣
｢ん？
周りが出きることはないから。
当事者が解決させることだ｣

｢咲那ちゃんに何があったかわかるの？｣
｢…………なんとなく｣

｢何があったの？｣
｢カメが知る必要ない｣

｢どうして？｣
｢俺は、カメを悲しませたくない｣

｢え？え？私？｣


会計を済ませスーパーを出ると、まだ咲那がいた。
｢咲那ちゃん？｣

何やら、男と言い争っていた。
｢あの人…旦那さんだ……｣

咲那は淘汰に、ぺこぺこ頭を下げて何度も謝っていた。
二人の姿を見て、夏菜はギュッと胸が痛んだ。
思わず、李範にしがみついた。

すると、淘汰の平手が振り上がった。

｢え………｣

叩かれる………！！！
夏菜と咲那が、ギュッと目を瞑る。


パシッ━━━━━━！！！

恐る恐る夏菜と咲那が目を開けると、李範が淘汰の手を掴んでいた。
｢お前、最低だな｣

｢は？
━━━━━！！！！？
あ…あ…｣
手を掴まれ、李範を睨み付ける淘汰。
しかし、李範の恐ろしさに怯む。

｢どんな理由があっても、女に手を上げるな｣

ゆっくり手を下ろす、淘汰。

｢お前、◯◯商事の？｣
｢え……｣
｢そこの社長とちょっとな。
だって、そのカフスのデザインは俺がデザインしたから。
そのカフスは、◯◯商事の奴しか持ってない｣

｢あんた…｣

｢◯◯商事の社員が“DV”なんて、いいネタになるなぁー｣
｢なっ…！！！？｣
李範が耳打ちすると、淘汰が後退り視線を逸らした。

｢もう…やめろよ、こうゆうこと｣
意味深に淘汰を見て言った李範だった。