社長は身代わり婚約者を溺愛する
「ええ。今日から、僕たち恋人同士です。」

「信一郎さん……」

あの時、ダメ元で素敵な人だって、言ってよかった。


「そうだ。連絡先、交換しましょう。」

「そうですね。」

私はスマホを取り出して、信一郎さんとlineの交換をした。

よかった。lineの名前、森井礼奈そのままにしておかなくて。


「芹香さん。夜に連絡してもいいですか?」

「ええ、どうぞ。ご遠慮なく。」

私が笑うと、信一郎さんも笑顔になってくれる。

嬉しい。

「じゃあ、今日はこれで。」

「ええ。今日は有難うございました。」

立ち上がって、私達が店を出ると、沢井の家の車が私の前に停まった。

「では、芹香さん。また。」

「はい。また。」

私は車に乗って考えた。

芹香には、何て報告しようって。
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