社長は身代わり婚約者を溺愛する
まさか、スカートを買ったなんて言えない。

「お母さん、今日私が夕食作るよ。」

「あら、そう?」

うんと頷いて、私は家に戻った。


自分の部屋に戻った私は、早速買ったスカートとトップスを着てみた。

鏡を見ると、どこかのお嬢様みたいに見える。

「ははは。服装一つで、こんなに変わるんだ。」

何故だか可笑しくて、笑うしかなかった。


そして私は、日曜日にその服を着た。

まだ慣れない服装に、何だか足がふわつく。

部屋から出て、階段を降りて、両親の目に留まる前に家を出ようとした。

「うん、いないね。」

両親がいない事を確認して、玄関を開けた。

「あら、どこか出かけるの?」

「うわっ!びっくりした!」

玄関を開けた瞬間、お母さんの顔があって、身体が跳ね上がる程に驚いた。

「そんなに驚く事ないじゃない。」

「ごめん、ごめん。」

こっそり過ぎようとしているのに、お母さんは私がスカートを履いている事に目をつけた。

「今日はどうしたの?いつもと違う雰囲気じゃない。」
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