社長は身代わり婚約者を溺愛する
もし私の方が、先に付き合っていると知ったら、芹香は傷つくかな。

「流石じゃん。私なんて、まだまだだよ。」

「ええ?そうなの?」

芹香と恋愛話もするのも、楽しい。

「ほら、相手の人社長だから、私と身分が合わないんじゃないかって。」

「そんなの、気にしてたらダメだよ。」

芹香に、背中をバシッと叩かれる。

「何んで”玉の輿”って言葉があるの?そういう身分差を超えて、結ばれてきたからでしょ。」

「そうだよね。」

すると芹香は、パンと手を叩いた。

「そうだ。社長って、何て会社の社長?」

「えっ……」

「私、調べてあげるよ。お父さんに聞けば、一発かもしれないし。」


ハッとした。

芹香に言ったら、一発で信一郎さんだって、バレてしまう。


「……小さい会社だって、言ってたから。」

「関係ないよ。ウチのお父さん、顔広いから小さい会社まで網羅してるし。」

「でも、まだ知られてないかもしれないし。」

「調べれば分かるって。」
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