社長は身代わり婚約者を溺愛する
私は信一郎さんを追った。

「信一郎さん!」

私は信一郎さんの背中に、抱き着いた。

「えっ?芹香さん?」

「行かないで。」

そして信一郎さんの身体を、ぎゅっと抱きしめた。


「私、信一郎さんが好きです。」

「芹香さん。」

「信一郎さん自身が好きです。その、家柄とかお金とかじゃなくて。」

そして信一郎さんは、クルッと振り向いた。

「芹香。」

ドキッとした。

急に信一郎さん、名前を呼び捨てにするから。


「俺も、芹香の事が好きだ。」

その瞬間、信一郎さんに唇を奪われた。

長いキス。

信一郎さん、本当に私の事好きなの?

唇が離れると、信一郎さんは私の手を握ってくれた。

「ごめん。長い時間キスして。」

「ううん、嬉しかった。」
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