社長は身代わり婚約者を溺愛する
私達は、お互いを見つめ合った。

キスなんて、久しぶり。

いつぶりだろう。

あっ、そうだ。高校生の時に、付き合っていた彼氏と、1回だけ。

ふふふと、私は笑った。


「何がおかしい?」

「だって、キスなんて久しぶりだから。」

すると又、信一郎さんは私にキスをした。

「初々しいね。」

そんな風に言われたの、初めてで。

私は、顔を赤くした。


「あの、お土産買わないと。」

あまりにも恥ずかしくて、私は背中を向けて、前に進んだ。

こんな人が大勢いる中で、キスするなんて。

信一郎さんって、意外と大胆?

「待って、芹香。」

信一郎さんが私に追いついて、腕を掴んだ。

「一人で行くと、迷子になるよ。」

「……うん。」

そう言うと信一郎さんは、私の手を繋いでくれた。
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