社長は身代わり婚約者を溺愛する

第6話 どういう事?

しばらくして、私達はお土産コーナーに向かった。

「あっ、可愛い。」

私はイルカのキーホルダーを見つけた。

イルカの部分が、ぬいぐるみになっていて、触っていてフカフカしている。

「そういうの、好き?」

「はい。特にふわふわしているのが、好きなんです。」

すると信一郎さんが、私からキーホルダーを取った。

「買ってあげるよ。」

「えっ、いや……」

「その方が、思い出になるでしょ。俺に買って貰った思い出。」

それもいいなぁと思って微笑んだら、信一郎さんはレジに向かっていた。

私も信一郎さんの後を追う。


「320円になります。」

信一郎さんが出した小銭入れは、高そうな革の物だった。

そんな小物にまで、お金持ちの雰囲気が漂っている。

「はい。」

そして、お会計が済んだキーホルダーを渡された。

「ありがとうございます。」

だんだんキーホルダーに付いているイルカが、信一郎さんに見えてきた。

不思議だな。
< 51 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop