社長は身代わり婚約者を溺愛する
そう言うしかなかった。

芹香の気持ち考えたら、確かに気持ち悪いよね。


「でも、これだけは解って欲しい。」

「礼奈?」

「信一郎さんは、私にとって運命の人なの。」

私と芹香が、お互い見つめ合う。


「だから?」

「えっ?」

「だから何なの?今まで通り、私の名前を語って、黒崎さんに会うって事?」

私はゴクンと息を飲んだ。

そして私は悟った。

もう芹香として、信一郎さんに会えない事を。


「分かった。私が礼奈だって、言えばいいのね。」

「当たり前でしょう?」

私はチラッと、芹香を見た。

「もし、私が芹香じゃないって言って、もう信一郎さんに会えなくなったら……」

私の目に、涙が溜まった。

「だとしても、それは私のせいじゃない。黒崎さんのせいでしょ。」

私は、芹香の尤もな意見に、何も言えなかった。
< 65 / 65 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

結婚できない症候群

総文字数/3,226

恋愛(純愛)10ページ

表紙を見る
キャンバスと五線譜

総文字数/22,434

青春・友情63ページ

表紙を見る
社長とは恋愛しません!

総文字数/115,086

恋愛(オフィスラブ)295ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop