嫌だって言ってるのに
優希「くるみ、、すぐ終わるから、ちょっとだけ頑張るよ?」
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くるみ「う!!・・んーーーっ!!・・んぁっ・・っあぁ」
優希「ごめんなぁ・・・・
もうちょっとだからね。」
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痛みと苦しみから必死で逃れようと、涙を流しながらもがき続けるくるみ。
あまりの苦しさにもう声も出ないらしい。
のどにカテーテル入れて気管から痰を吸い出しているわけだから、
息が出来なくて声なんて出せる状況じゃないんだろうけど・・・
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ズズズズズ・・・
優希「よし・・・・
くるみ〜。管抜いてくよ~
よく頑張ったね。苦しかったね。」
くるみ「んっ!!・・・ック・・・うえーん」
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処置が終わった瞬間、声を上げて泣き出した。
目からぽろぽろと流れる涙を拭ってやりながら、背中をトントン叩いて落ち着かせていった。
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優希「えらかったね、くるみ
よく頑張ったよ? もう何もしないからね。」
くるみ「うぇ~ん・・いっ・・・いたい!!」
優希「痛いよねぇ・・・ごめんね?
くるみ、最後ちょっとお口の中診せてくれる?
少しだけでいいから、あ~んしてごらん?」
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鼻から入れると粘膜が傷ついて出血することも珍しくない。
俺も十分気を付けて挿入したつもりだったけど、
くるみも痛がってるし、一応確認しておきたかった。
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くるみ「やっ・・やだぁーー!!・・もういい!!」
俺がくるみの頬に手を添えた瞬間、怯えた様子で激しく泣き出した。
優希「だいじょうぶ、だいじょうぶ。
もうやらないよ? 痛いことも苦しいこともなぁ~んにもない。
ちょっとお口の中診せてほしいだけだから。
ね? くるみ、だいじょうぶだよ?」
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イヤイヤと左右に振っていた顔を両手でそっと包み込んでくるみと目線を合わせると、
優しく語りかけるようにそう言ってやった。
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優希「やっと落ち着いてきたかな?
ちょっとね、お口の中診たいから、あ~んってできる?」
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これまで俺の声なんてまったく聞こえてなかったのだろう。
ようやく落ち着いてきて『なにするの?』って顔をしていたくるみに、
もう一度『お口開けてね?』って微笑んでやった。
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口内を確認してみたけど幸い出血している様子もなく一安心。
吸引をして呼吸が楽になったくるみは、そのままスーッと眠りに入っていった。