嫌だって言ってるのに
胸におみず
くるみが入院してから数日経った。
朝からずっと一緒にいるんだけど、午後になって急にくるみが苦しみだした。
.
くるみ「ゲホゲホッ!! んっ!!・・・ハァハァ・・いったぁ・・・」
優希「くるみ、どうした? どこが痛い?」
くるみ「んっ・・・・・ハァハァ・・・・・・・なんでも・・ない・・・」
.
そう言いながらも、くるみは胸を押さえていた。
優希「胸が痛いの!?中内先生呼んでくるよ!」
光輝「あ、僕中内先生呼んできます!!!!!」
くるみ「待って!!・・・ハァハァ・・・だいじょうぶ・・・だって・・・」
優希「そんなわけにはいかないよ・・・・・
痛いならちゃんと診てもらわなきゃ。ね?」
.
俺がくるみをなだめている間に、光輝が中内先生を連れてきてくれた。
.
.
.
.
中内「くるみちゃん、?どうした、痛くなっちゃった?」
くるみ「・・・・ハァハァ・・・・・ん・・・・・」
優希「ごめん中内先生、くるみが胸が痛いって言っててさ・・・
ちょっと心配だったから・・・・・」
「2人がいてくれて助かったよ。
くるみ一人だったら何も言ってくれなかっただろうからさ。
くるみちゃん~、ちょっと胸の音聞かせてよ?」
.
優希と光輝に補助してもらいながら、くるみの聴診を行っていった。
中内「ん?・・・・・・・・ん~・・・・・・・」
ちょっと呼吸音が怪しいなぁ・・・
.
中内「よしっ、じゃあ次、胸のところトントンするよ?」
胸の打診を行ってみると、濁音が聴こえてきた。
胸痛があるってことは、おそらく胸膜炎もおこしてるのだろう。
それのせいで胸水が溜まってきてるのかもしれないな・・・・・・・
.
くるみ「・・・ハァハァ・・・・さと・・・ハァハァ・・・にぃ・・」
中内「ん~・・・苦しいなぁ、くるみちゃん。。
ちょっとレントゲン撮ろうか。あと、できればエコー検査も。」
くるみ「えっ・・・ハァハァ・・・い・・・いやだよ・・・」
中内「イヤだけど、このままだと呼吸苦しいままだしね。
早く原因突き止めないと、いつまでたってもお家帰れないからね?」
くるみ「んっ・・・・・・・・・・」
.
『うちに帰れない』
この言葉が効いたようで、抵抗しなくなったくるみ。
.
いつまでも入院してるの、やだもんね。