海色の世界を、君のとなりで。

だから。



『なにそれ。髪切るの?』



そう言って、答えを返してくれなかったことが逆に嬉しかった。




でも、現実はそう上手くはいかないね。



素敵なヒロインのとなりには、いつだって格好いいヒーローがいて。



可愛いお姫様のそばには、イケメンな王子様がいる。




きっとあなたは優しいから、それでも私をそばに置こうとしてくれるでしょう?



困って、どうしたらいいか頭を悩ませて、傷つけないように細心の注意を払って。




男の子同士、女の子同士の恋愛。


だんだん受け入れられつつある世の中だけど、それでも非難の声はある。



完全に誹謗中傷をなくすことは、不可能だ。


ただもし、ひとつだけ願いが叶うのなら。




────ずっと、あなたのそばにいたい。




そう思ってしまうのは、だめですか……?
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