海色の世界を、君のとなりで。

 返事を聞くのが、怖い。

 自分で伝えたはずなのに、拒絶されるのが怖い。

 全部自分のせいなのに。


 関係を変えようと思ったのは、動いたのは私だ。

 見ているだけでいい、となりにいるだけでいい。

 それだけで満足できなくなって、いちばんになりたいと願ったのは私だ。


 それなのに、勇気がでなくて。


 今まで自分に想いを伝えて、返事を聞いてくれた彼らがいかに凄かったのかを実感した。



 男子だからとか、女子だからとか、そんなのは関係ない。


 結ばれるのは奇跡だ。



 想いを伝えるのは難しい。


 同じように苦しいし、届いた時の嬉しさだって同じだ。



 たまたま私が女の子で、栞ちゃんが女の子だっただけ。


 ただ、それだけだ。


 それだけ、なんだ。




 笑ってしまうほど単純な話。


 人が人を好きになる。


 そこに理由や制限なんてない。


 栞ちゃん、しおりちゃん。

 大好き。

 大好きだよ。


 世界でいちばん好き。



 必ず、返事を聞きにいく。


 だけど、今はまだ勇気が出ないの。



 だから、もう少しだけ待っていてほしい。




 好きになって、ごめん。



 そして────ありがとう。


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