海色の世界を、君のとなりで。

「なにこれ、全然できてない……」


 もし、提出できるレベルを五と仮定すると、この書類の完成度はニだ。

 半分にすら到達していない。


 提出期限は明日だというのに、この記事の分担である男子たちは、丸投げしたまま帰ってしまったり、部活に行ってしまったようだった。

 そのうちの数人はおそらく部活中だと思うので、今からでも持っていけばおそらく間に合うだろう。

 けれど、部活中のところに乗り込む勇気も、そんなことをしてまでお願いする気力も、わたしにはなかった。

 もし、明日になってやらずに持って来られては堪らない。

 あの男子たちは平気でやりかねない。

 それくらい、彼らへの信頼度は底をついていた。


ふつふつと怒りが湧いてくる。


こんなことなら、女子組がもう少し多く受け持つべきだった。

そうすれば、容量良く進められたというのに。


もっと計画性を持ってできたはずなのに。


なのに、彼らはそれをぶち壊した。

そしてきっと悪びれもせず、明日もふらふらと学校に来るのだろう。


そう思うと、腹が立って仕方がなかった。

どうして真面目にやっている人が、こんな役を背負わなければならないのだろう。
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