海色の世界を、君のとなりで。

「だから、恋愛しないって決めたの。もし好きな人ができても、告白せずにずっと想っていようって。そうじゃないと、相手を傷つけてしまうから。こんなの最低だって、自分でも分かってる、からっ……」


 それが、わたしの背負う宿命なのだろう。
 誰もが背負う運命があるのなら、わたしが背負う宿命はきっとこれだ。


「それなのに、伝えちゃってごめん……言っちゃってごめん……返事は、聞きたくない。聞けない」

 ああ、言ってしまった。
 これで星野はわたしを軽蔑しただろう。嫌いになっただろう。

 こんな横暴で理不尽な考えのやつ、もうとなりに置いてはくれないだろう。

 そう思うと、涙が止まらなかった。


 どうして大切な居場所を、なくしてはいけないところを、自分で壊してしまったのだろう。
 なんでわたしはいつも、大切なものを自分自身でなくしてしまうのだろう。
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