海色の世界を、君のとなりで。

「わたしから離れていっても、見放しても、軽蔑して気持ち悪いって思っても仕方ないと思ってる。だから星野、これからは無理しなくていいよ。今まで仲良くしてくれてありがとう、楽しかった……っ」

「───…ふざけんなよ」


 そうだよね。所詮分かり合えるはずないんだ。

 こんな"普通"じゃないやつのことなんて、理解できるはずがない。ふざけんなって思ってしまうだろう。それが正しい。

 わたしがいちばん恐れていた言葉を、きっとこれからぶつけられるのだ。


「蛙化の気持ちは一生分かってもらえない。それは、分かるから。わたしが全部悪いの。だから……ごめん」


 でもね───…大好き。

 全部、だいすき。本当に好き。
 この気持ちは紛れもなく本物なんだよ。

 その言葉は、口にできず飲み込んだ。
「星野だってっ、いつかわたしのこと嫌いになるから……!!」


 わたしは、わたしが大嫌いだ。
 理不尽で、自分勝手で、思いを口にするたび周りの人を不幸にするやつなんか、大嫌いだ。
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