海色の世界を、君のとなりで。

 誰もが当然の如く仕事を押し付けて、まるでわたしが快く受け入れているかのように、嫌な仕事をさせられる。

 学校では『人間は誰もが平等だ』なんて言うけれど、果たしてそれは本当だろうか。


 平等であるならば、リーダーなんていらない。責任を負う役割なんて、誰一人としていらないのだ。


 真面目だとか、しっかりしているだとか。その判断基準はいったいなんなのだろう。

 好きで"真面目"をやっているわけじゃない。というか、そもそもわたしは真面目じゃない。

 胸の中に生まれる黒い感情を抑え込んで、ただ当たり前のことをしているだけだ。

 わたしだってみんなと同じように、まとめ役なんてしたくないし、課題だって提出するのは面倒くさいと思う。

 先生に何を言われても不満を見せず、いちいち笑顔で接するのも疲れるし、はやく家に帰って好きなことをしたい。


 それでも、投げ出さずにやっているだけだ。決して好きでやっているんじゃない。
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