海色の世界を、君のとなりで。
◇
「……っ!」
意識が浮上する。
身体にはびっしょりと汗をかいていた。
ドクドクとやけに速い心臓の鼓動が耳の奥で響いている。
身体がだるい。
頭痛と、喉の痛みと、僅かな吐き気がする。
完全に風邪をひいてしまった。
その理由をぼんやりと考えて、昨日、馬鹿みたいに雨に打たれたことを思い出す。
「……そりゃ、風邪ひくよね」
なんともアホらしいことをしてしまった。
そう思うのに、何故か満足している自分がいる。
「ふふっ」
笑いが込み上げてきた。
寝転んだまま、感情に任せて笑みをこぼす。
幸せな夢だった。
それでいて、切ない夢だった。
あれからどうやって家に帰ったのだろう。
断片的な記憶しかなくて、頭の中で繋いでみようと試みるけれど、おぼろげすぎてできなかった。
もしかすると、あれすらも夢なのかもしれない。
そんなことを思うけれど、寝ている自分がぎゅっと何かを握りしめていることに気付いて視線を落とす。
そこには、切れてしまったガラスドームのネックレスがあった。
「夢じゃ……ない」
雨に打たれてネックレスを探したことも、星野が探しにきてくれたことも、交わした言葉も。
好きだと伝えたことも。
すべて本当で、現実の話。
今日は学校に行けそうにない。
お父さんに頼めそうになかったので、自分で欠席の連絡を入れた。
それからごろんと布団に横になる。
ぼんやりと天井を見つめているとまた睡魔が襲ってきて、抗うことなく身を委ねた。
「……っ!」
意識が浮上する。
身体にはびっしょりと汗をかいていた。
ドクドクとやけに速い心臓の鼓動が耳の奥で響いている。
身体がだるい。
頭痛と、喉の痛みと、僅かな吐き気がする。
完全に風邪をひいてしまった。
その理由をぼんやりと考えて、昨日、馬鹿みたいに雨に打たれたことを思い出す。
「……そりゃ、風邪ひくよね」
なんともアホらしいことをしてしまった。
そう思うのに、何故か満足している自分がいる。
「ふふっ」
笑いが込み上げてきた。
寝転んだまま、感情に任せて笑みをこぼす。
幸せな夢だった。
それでいて、切ない夢だった。
あれからどうやって家に帰ったのだろう。
断片的な記憶しかなくて、頭の中で繋いでみようと試みるけれど、おぼろげすぎてできなかった。
もしかすると、あれすらも夢なのかもしれない。
そんなことを思うけれど、寝ている自分がぎゅっと何かを握りしめていることに気付いて視線を落とす。
そこには、切れてしまったガラスドームのネックレスがあった。
「夢じゃ……ない」
雨に打たれてネックレスを探したことも、星野が探しにきてくれたことも、交わした言葉も。
好きだと伝えたことも。
すべて本当で、現実の話。
今日は学校に行けそうにない。
お父さんに頼めそうになかったので、自分で欠席の連絡を入れた。
それからごろんと布団に横になる。
ぼんやりと天井を見つめているとまた睡魔が襲ってきて、抗うことなく身を委ねた。