海色の世界を、君のとなりで。

 目を瞑って、ふ、と息を吐き出す。


 ────抑えて、おさえて、見せないで。


 出しちゃだめだ。
 自分のためにも、周りのためにも。

 わたしの言葉は、みんなを不幸にするから。

 いくら思っても、それを言の葉にのせてはならない。


 心の中で唱えて、己を戒める。
 深呼吸をしたら、それでおしまい。
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