海色の世界を、君のとなりで。

ネットで調べてみて、だいたい分かった。

おそらく今この気持ちを伝えたら、彼女を困らせることになるだろう。

栞が俺を拒むのは、もし自分がまた蛙化現象を起こして、俺を傷付けたりしたくないからだろう。

嫌われたくないからだろう。


無論、嫌うはずないけれど。

だって、どうしようもないくらい好きなのだ。

簡単に嫌いになれるわけがない。

栞にとっての『本当に好きな人』とやらが誰なのか、そんなことは到底分からないけれど、俺の可能性だって十分あるんじゃないのか。


なんて、そんな言葉を軽く言えないのも、不器用な俺の性格だからしょうがない。
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