君の甘い笑顔に落とされたい。
「……久世くん?」
《うん》
「行ってもいいの、」
《おまえだったらいーよ。》
何かを考える暇もなく。
さらり、そう言ってくれた久世くん。
……どうしよう。
すごく嬉しくて、なんだか少し、泣きそう。
「じゃあ、今から桃ちゃんと行くね」と、そう言って電話を切って。
桃ちゃんの方を見る。
「やばいね。久世に誘われちゃったね」
「うん、やばいよ桃ちゃん、どうしよう」
「いきなりチャンス到来じゃない……?」
本当にその通り。
まさかこのタイミングで話せる機会ができるなんて思わなかった。
「ていうか!なんか茉白には特別優しくない!?」
「気のせいだよ……久世くんは誰にでも優しいもん」