君の甘い笑顔に落とされたい。
「鍵開かねーかなって扉蹴ったら開いた」
「ちょっと!?それ壊してるよね!!?」
「椎名もっ、笑い話じゃないからね!?」と、そう続けた桃ちゃん。
そのやり取りが少し面白くて、思わず笑ってしまった。
……なんだか、こうやってこの空間に一緒にいられるなんて、夢みたいだな。
ここに来てもいいよって、久世くん言ってくれた。
私だけじゃなくて、桃ちゃんもいいよって。
私のことを受け入れてくれたみたいで、嬉しいな。
「で?たまにここに来て授業サボってるってわけ?」
「サボってるっつーか、寝てるっつーか」
「柚琉がここ来るのは放課後とか昼休みとかが多いよね」
「放課後も?軽音部の楽器の音とかで騒がしいだろうに……よく寝れるね……」