君の甘い笑顔に落とされたい。

久世くんと椎名くんは黒いソファに。
桃ちゃんは使われていない机を椅子代わりに。
私はピアノの椅子に座った。


椎名くんが飼っている猫の話、
桃ちゃんのハマっているコンビニのお菓子の話、私が最近観た映画の話。

久世くんは、私たちの話をただ聞いていた。
気のせいかもしれないけど、いつもより柔らかい表情で。

昼休みが終わるまであと10分と少し。


どうしよう、もう少しで昼休みが終わっちゃう……。
こうやって皆んなとお話するのはすごく楽しいんだけど、でも、本当は……。


チラリ、様子をうかがうように久世くんを見た。
< 105 / 284 >

この作品をシェア

pagetop