君の甘い笑顔に落とされたい。
久世くんと椎名くんは黒いソファに。
桃ちゃんは使われていない机を椅子代わりに。
私はピアノの椅子に座った。
椎名くんが飼っている猫の話、
桃ちゃんのハマっているコンビニのお菓子の話、私が最近観た映画の話。
久世くんは、私たちの話をただ聞いていた。
気のせいかもしれないけど、いつもより柔らかい表情で。
昼休みが終わるまであと10分と少し。
どうしよう、もう少しで昼休みが終わっちゃう……。
こうやって皆んなとお話するのはすごく楽しいんだけど、でも、本当は……。
チラリ、様子をうかがうように久世くんを見た。