君の甘い笑顔に落とされたい。

「なんじ?」
「え、」

「自由行動始まんの何時?」


真っ直ぐに私を見る。
そんな久世くんに、ドキッと胸が鳴った。


「……13時」
「ふぅん」
「あ、あの……」


ドギマギする私に、久世くんはまた小さく笑う。
っだから、笑った顔は反則なんだってば……。



「じゃあ、13時に入り口のとこで。」



その言葉に、ぱちぱち、瞬きを数回。
い、今なんて言ったの?
私の耳がおかしくなければ、"13時に入り口"って聞こえたよ?

そ、それってつまり……



「(……一緒に回ってくれるってこと……?)」



何も言えないでいる私の顔の前で、久世くんが軽く手を振る。
聞こえてる?って。
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