君の甘い笑顔に落とされたい。

ふいて、とは……

って、椎名くん!どうして少し屈んで目をつぶるの!
顔を拭けばいいってこと……!?



「まだー?」
「えっ!?あ、え、っと、ちょっと待って、」



恐る恐る、真っ白のハンカチを椎名くんのほっぺたに沿わせた。

な、なんか、いつの間にか椎名くんの言いなりになってる気がする。
もう、どうして急にこんなこと……


そんなことを考えていると、ぱっちり、椎名くんと目が合って。

思わずドキッとしてしまった私の手首を掴んで、椎名くんがまた笑う。


「ありがと」


いつもの眩しい笑顔じゃなくて、
ほのかに満足気で、どこか大人っぽい。
……久世くんみたい……


「う、ううん、」
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