君の甘い笑顔に落とされたい。

びっくりした。
椎名くんって、あぁいう表情もできるんだ。



「あの、嫌じゃなければ持っていっていいよ。私もう1枚ハンカチ持ってるから……」
「すご、いつも2枚もってるの?」

「予備でバックの中にいつもいれてるの」


持ってくるの忘れた時用にね。


「じゃあ借りる。ありがとう」と言う椎名くんに笑って頷く。



「風邪引かないようにね?」
「それはこっちのセリフ。花戸さんの方が顔色ちょっと悪いし」

「う、それはその……最近寝不足で」
「あーその反応、なんか柚琉関係だろ」

「ちょっと椎名くん!冷静に観察しないでっ」



恥ずかしいよ、もうっ。
いきなりそう言われたら上手くかわせることもできない!



「だから、花戸さんのこと見てれば分かるよ」
「じゃ、じゃあもう見ないで」

「はは、それは無理かも」



そう言って椎名くんは笑った。




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