君の甘い笑顔に落とされたい。
──────………
「……ん」
見慣れた天井が視界に入り、ゆっくりと瞬きをする。
……そうだ、今日は遠足で、久世くんと一緒に水族館を回る約束をしてて……
……久世くんの夢を見た。
昔の、中学の時の夢。
私が、久世くんに惹かれた時の夢。
久世くんを目で追いかけるうちに、"憧れ"がいつからか恋愛感情に変わってた。
久世くんの笑った顔を思い出すたび、胸がキュンと鳴った。
まさか同じ高校に進学するとは思わなかったから、入学式の時、久世くんの姿を見つけた時はうれしかった。
久世くんが人気者になるのに時間はかからなくて……。
だってルックスはいいし、誰にだって優しいし、全部がカッコいいんだから当たり前だよね。