君の甘い笑顔に落とされたい。

「普段表情をあまり変えない久世くんの笑った顔を見たら、恋に落ちてしまう」なんて噂が広まるくらい、久世くんは魅力的な人なの。


額に手の甲を当てて、ふぅ、と息を吐く。
朝より熱は下がっている気がする。

やっぱり睡眠って大事なんだなぁ……。


「わ、もうお昼すぎてる……」


スマホの画面をつけると、桃ちゃんからのメッセージ通知がたくさんきてた。


「こんなにいっぱいなんだろ……写真?」

画面いっぱいに青が広がる。
色とりどりの魚の写真も何枚も送ってくれてた。
きれいだな……桃ちゃん、わざわざ写真を撮ってくれたんだ。


「……!」


最後の1枚、これ、久世くんだ……。

大水槽を見上げている横顔。
薄い青の影がかかっていて、とっても儚くて綺麗。
< 150 / 284 >

この作品をシェア

pagetop