君の甘い笑顔に落とされたい。
《久世ー?何やってんだよ、早くいこーぜ》
《あっ、なに、花戸さんと電話してんの?》
《花戸さーん!見えるー?元気ー?》
ドアップで映ったのはいつも久世くんと一緒にいる男子たち。
こんな私のことを心配してくれるなんて……!
やっぱり久世くんの周りにはいい人しかいないんだなぁ。
《柚琉、花戸さんと電話してるの?……貸して》
この声、椎名くんかな?
一緒に帰った日、私は雨に降られてしまったけど、椎名くんは大丈夫だったのかな……
《花戸さん大丈夫?》
「あっ、うん……椎名くんもあの日大丈夫だった?」
《俺はへーき。花戸さんが傘とハンカチ貸してくれたおかげ》
《傘は壊しちゃったけど……》なんて、申し訳なさそうに言う椎名くん。