君の甘い笑顔に落とされたい。
2人とも仲良しだから、てっきり共有されてるものだと思ってた。
「テスト期間に大雨が降ったでしょ?その日に椎名くんと一緒に帰ったの。傘ないって言うから放っておけなくて……」
《ふぅん》
「あの、久世くん?」
《なんだよ》
「……怒ってる?」
だって、なんか、声が少し低くなったような気がして。
気のせいだったらいいんだけど、もしかして知らない間に気に触ることしちゃった?
《なんで……怒ってないけど》
「そっか、それならよかった……」
《……怒ってはないけど、おもしろくない》
その言葉にぱちぱちと瞬きをする。
《なんでだろーな。》なんて、久世くんは小さな声でそう言った。