君の甘い笑顔に落とされたい。
▽君に名前を呼ばれたい。
「──だから、仲良しな椎名くんを私が独り占めしちゃったからだと思ったんだけど……どうかな?」
「いやぁ、それはないと思うけど……」
連休を挟んで無事体調が回復した私は、朝、教室までの階段を桃ちゃんと2人でのぼっていた。
桃ちゃんは、私の言葉に"う〜ん"と首を傾げる。
久世くんと電話をした時の、久世くんのあの言葉。
『怒ってはないけど、おもしろくない。』
おもしろくないって、いったいなにが?
椎名くんを私が独り占めしたことじゃないとすれば、あと考えられることは?
「もしかしたらさぁ、椎名に嫉妬したんじゃない?」
ニヤニヤ、今日も桃ちゃんは楽しそう。
私からしてみれば、椎名くんに嫉妬する理由が見つからない。
「あはは、それが1番ないと思うけどなぁ」