君の甘い笑顔に落とされたい。
「やっばい!久世くんの夏服仕様イイ!萌える!」
「意味わかんない」
あの子は恋愛上級者だ。紛れもなく。
だって自然に会話してるんだもん。
いいな、私もあんな風に誰の目を気にすることなく久世くんの近くに行きたい。
「(……学校の人たちがたくさんいる中で久世くんと2人で水族館を回るだなんて、今思えば、私けっこう大胆なことしようとしてたんだな……)」
あの時風邪を引いてよかったかも……って、ダメダメ。またこうやっていつの間にネガティブ思考になるんだから。
ブンブンと頭を振ってバックの中に入れていた教科書を出していく。
「茉白、久世の夏服が眩しいからって興奮しすぎ」
「なっ、そ、そんなことはまったく……!」
「慌てすぎ〜」