君の甘い笑顔に落とされたい。

うう、ニマニマ桃ちゃんだ……確かにいつもより薄着の久世くんにドキッとしたのは事実だけれど……。

そういうつもりじゃなかったんだよ、桃ちゃん。
私はただ自分のネガティブ思考を振り払いたかっただけなんです。



「あ!花戸さん!風邪治ったの?もう大丈夫?」



その大きな声に、桃ちゃんと2人で教室の後ろ扉に視線を移した。

「出たな、犬……」なんていう桃ちゃんの小さな声にクスッと笑って、「おはよう、椎名くん」と挨拶をする。


「もう大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
「そっか、ならよかった!つか病み上がりなのにそんな薄着で大丈夫なん!?」

「ちょっと椎名〜?うちの茉白をそんなジロジロみないでくれる?」
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