君の甘い笑顔に落とされたい。
「……っ、ち、がくて、」
誰にも、久世くんにも、知られたくないから。
パッと目を逸らして、必死に頭をぐるぐると動かした。
違くて、ちがくて、なに?
どう言えばいい?どうすれば誤魔化せる?
ぎゅっと、手のひらを握りしめる。
「……おまじない、続きがあって、」
「つづき?」
「っそう、次のページに」
「そうなの?」
そう、いうことにするの。それで、えっと、
「す、好きな人の2つ後ろの席からお願いすれば、さらに叶いやすくなるって書いてあったから……」
本当はそんなこと一言も書いてないけど、これでどうにか出来ないかなっ?
誤魔化せない……?
恐る恐る、目の前の久世くんを見てみる。