君の甘い笑顔に落とされたい。

「腹減ったからファミレス行こーってあいつら言ってるけど、花戸さんもどう?」

「えっ!?」
「ま、皆教室に集まってるから結果報告もかねてとりあえず今は一緒に来て」

「それはいいけど、ファミレスはちょっと考えさせて……」
「いーよ。無理にとは言わないし」



椎名くんの温度が、直に肌に触れている。
手、大きいんだなぁ。



「柚琉も来いよ!」
「ん、あとから行く」

「本当にー?絶対だからな」
「分かってるって」



椎名くんに引っ張られるよにして扉へと歩いていく。
ちらり、後ろを振り返ると、久世くんはじっと足元を見つめていた。

聞きたいことも言いたいことも、全てが中途半端のままで、もどかしい。


きゅ、と唇を結んで、前に向き直る。
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