君の甘い笑顔に落とされたい。


「何だよそれ。まどろっこしいおまじないだな」


首を傾げて眉を寄せて。
心底"変なの"とでも思っているかのような表情。


「あ……ね、そうだよね、はは……」


な、なんとか誤魔化せた?
久世くん、もう疑ってない?

「はーあ、」と言いながら立ち上がった久世くん。
……大丈夫、そう……?

よ、良かった。本当に……


「(はぁぁ〜っ……)」


久世くんに気付かれないように息を吐く。
寿命、縮まるかと思った。



「ん。」
「え?」



突然上から差し出された久世くんの左手。
ぱちぱち、瞬きをしてはてなマークを浮かべる私に、久世くんは「何してんの」と呆れたように言う。

な、何ってなにが!?


「机にぶつかったとこ、痛いんじゃねーの?」
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