君の甘い笑顔に落とされたい。

からかってないんだけどな。
本心なんだよ、花戸さん。


「茉白お待たせ〜なんかすごい自販機混んでた!」
「あっ、桃ちゃん……」

「はい、レモンティーどうぞ……ってなに椎名、茉白になんか用?」
「もう終わった。野原さんっていい意味で頼もしいよね」

「なにそれ?何の話?」


頭にはてなマークを浮かべる野原さんに笑って、自分の席に戻る。


「今日はこのあとどうするー?1学期お疲れ様会でもする?」
「おっ!いいじゃん!カラオケ行こうぜ〜久世も来るよな?」

「俺はパス。用事ある」


柚琉とは1年の時からよくつるんでいたから、小さな表情の変化が分かるようになった。
楽しみで仕方ないって顔だろ、それ。



「(花戸さんとなんか約束してんだろーなぁ)」
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