君の甘い笑顔に落とされたい。
それでタイミング悪く見つかってしまうなんて、ついてないなぁ……。
「……2つまえは、」
「え?」
もう帰って今日の反省会でもしようと思っていたら。
久世くんがそう呟いたから。
『好きな人の2つ後ろの席からお願いすれば、さらに叶いやすくなるって書いてあったから……』
久世くんの席から見て、2つ前の席は、確か……
「 柚琉!忘れもん見つかった?」
突然の大きな声にビクッと肩が跳ねた。
そ、そうだ。
久世くんの2つ前の席は、
「あれ!花戸さん!まだ残ってたの?一緒帰る?」
まるで大型犬のような人懐っこさで有名な、
「椎名くん……」
あぁ、どうしましょう、神様。
私、久世くんにとんでもない誤魔化し方をしてしまったかもしれません……