君の甘い笑顔に落とされたい。
▽君に好きになってほしい。
鏡の中の自分をじぃっと見つめる。
前髪……変じゃないよね。
ていうか、こんな時のためにメイクの仕方でも覚えてくればよかったかな。
久世くんの周りにいる女の子達に比べたら、やっぱり地味だな、私。
パッとしないっていうか……
「(ハッ、またネガティブにっ)」
っだめだめ、ネガティブ禁止!
『そのままでいいよ、おまえは。』
久世くんだって、前にあぁ言ってくれたんだから。
自分で自分のことを信じないでどうする……っ。
ペチペチとほっぺたを叩いて、「よしっ」と頷いた。
駅のトイレから出て、改札の前で久世くんを待つ。
《もう少しで着く》
本当は学校から一緒に行く予定だったけど、同じグループの人たちから引き止められてしまったらしく。