君の甘い笑顔に落とされたい。
「う、映画好きって言われるほどでもないよ、私。ちょうど空いてるし、真ん中にするね」
券売機でチケットを発行して、上映時間までロビーのソファに座る。
ていうか、これ、ちゃんと埋め合わせになってるのかな?
私の気になってる映画を観るだけって……退屈させてしまわないか心配。
「あの、久世くん、勝手に観る映画決めちゃったけど本当にあれで良かった?」
「なんで?面白そうじゃん。チョイスさすがって思ってたけど」
「……そう?」
「うん。勝手にワクワクしてる」
ケロッとした顔でなんてことないようにそう言う。
久世くんのそういうところ、やっぱり良いな。
好きだなぁ。
「……あ、さっき同じグループの人たちに引き止められてたよね?なんだか話も盛り上がってたみたいだったけど、大丈夫だった?」