君の甘い笑顔に落とされたい。

久世くんを遠くから見つめてきた私にとって、今のこの状況はやっぱり奇跡みたいに感じる。

こうやって話ができて、2人で遊びに行くことができるなんて、夢にも思わなかった。

だからこそ怖いの。
想いを打ち明けたら、もう久世くんと話すことも音楽室に行くことも出来なくなってしまうかもしれない。


私の気持ちに気づいてほしいって思ってた。
特別になりたいって思ってた。

でも、"好き"というたった2文字を伝えることが、こんなにも勇気がいるものだとは知らなかった。


……こんな調子で、私、大丈夫かな。


「茉白」


その言葉に、無意識に下げていた視線を久世くんに戻した。


「なんか甘いもの食べたくない?」
「え」
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