君の甘い笑顔に落とされたい。
「それどころじゃなかったわ」
「そうなの……?」
「そうだろ。おまえ、変な奴に絡まれてるし」
「う、ごめんなさい」
「距離も近かったし。全体的に無防備。それに、」
不自然に途切れた言葉。
ぎゅっと、久世くんの手に力が入る。
「……許すなって、前に言ったろ。」
『俺以外にこーいうことさせるの、許すなよ。』
自分の放った言葉に、久世くん自身も驚いてるみたいだった。
「……わけわかんねーな」と、独り言のように呟いてベンチに座り込む。
私だって、わけ、分かんないよ。
ただのクラスメイトに、そんなことを言うなんて。
……ねぇ久世くん、それじゃあまるで嫉妬してるみたいだよ。