君の甘い笑顔に落とされたい。
私の肩を強く揺する桃ちゃん。
い、いたいよ、桃ちゃん……!
「ていうかっ、久世の返事、ちゃんと聞いたわけじゃないんだよね?だったらまだ諦めるのは早いと思う」
確かに、久世くんから直接断られたわけじゃない。
そういうわけじゃない……けど……
「……ちょっと今は、むりかも」
あの時の表情が頭から離れない。
もう一度告白する勇気なんて、でないよ……
少しでも期待していた自分が恥ずかしい。
「茉白……そうだよね、ごめんね」
「桃ちゃんが謝ることないよっ。本当に大丈夫だから……!」
むしろ"当たり前だよなぁ"って、思ってるからっ。
「……あっ、なんだか喉渇いちゃった!自販機寄ってもいい?」
話を変えようと自動販売機を指さす。
私が暗いと、桃ちゃんに気をつかわせてしまう。