君の甘い笑顔に落とされたい。

でも、久世くんに、もしかしたら彼女ができるかもしれない。
そんなことを思って、傷ついている自分がいるのもたしかで。


「……っ」


久世くんと最後に会話をしたあとも、桃ちゃんに久世くんとのことを話したときも。

"当たり前のことだから"って、そうやって自分に言い聞かせてた。


……でも、本当は悲しかったの。


涙をこぼし続ける私の髪を、椎名くんは優しく撫でた。


「いーよ、もう。ぜんぶ吐き出しちゃいな」


優しい力で抱き寄せられて、そしたらもう、色々とだめだった。


「っ久世くんに嫌われちゃったかもしれない」


勢いあまって告白をしてしまったから。

勝手に期待して、舞い上がって、本当にばかみたい。
告白して失敗して、恥ずかしくて苦し紛れの言葉を吐いたの。